路面電車/LRT

LRTはなぜできないのか

今日は,久しぶりに自宅で静養している。

そんな朝から,WEBを巡回していたら,神戸新聞の日曜小論に「LRTはなぜできないのか」というコラム記事が出ていることに気づいた。

★「LRTはなぜできないのか」(神戸新聞2014.1.26付記事より)
 http://www.kobe-np.co.jp/column/nichiyou/201401/0006663231.shtml

実はこの記事,先日小生が神戸新聞の桜井さんから受けた取材をもとにしたものである。

神戸市では,先の選挙で選ばれた久元市長がLRT導入を公約に掲げているのであるが,取材では「なぜ日本でLRTができないのか」ということに関して,小生なりに思うところを少し話したのである。

この記事については,小生が取材で話をした内容がなかなかうまく伝わっていないこともあるし,今は公式にはLRTに関わる立場でもないので,こういった形で記事になることについては是非があるところなのだが,わが国におけるLRT導入への課題については,改めてきちんと整理しておくべきだと思っている。

森市長が頑張って実現された富山市のLRTは,十分に評価できるものであることは間違いないが,京都や神戸のような都市でLRTが実現できれば,わが国におけるLRT導入に弾みがつくことは間違いないと思っているので,神戸市のLRTは何とか実現してほしいと切に願うのである。

そして,ふと思い出したのであるが,神戸のLRTということでは,かれこれ8年ほど前に「神戸にLRTが走る日は来るか?」というタイトルで話をしたことがあった。
このネタの元になったのは,小生が昔事務局をやっていた「望ましい都市を考える研究会議」における「阪神・淡路大震災」の復興に対する提案書なのであるが,これを改めて眺めてみると,今でも十分に使えるネタなのではないかと感じた。

★神戸にLRTが走る日は来るか?
 http://homepage1.nifty.com/wanpaku/lrt/kobe-forum/20060114kobe-forum00n.pdf

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LRTを巡る久しぶりの議論

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つい先日のことだが,学芸出版社から「ストラスブールのまちづくり」という専門書が発刊されているのだが,JR京都駅前の居酒屋で,この本の著者であるヴァンソン藤井由実さんにお会いする機会があった。

フランスと沖縄の両方にお住まいで,関西にもこれまで何度か訪れているヴァンソン藤井さんとは,彼女が来阪のたびに声をかけてもらい,これまでも何度か会う機会があったのであるが,いつも仕事と重なって涙をのんでいた。

しかし,今回はそれがようやく実現したという訳である。

そして,小生も加わる「関西LRT実現研究会」のメンバーと,久しぶりに日本における,関西におけるLRTに関する討論で大いに盛り上がった。

よくよく考えてみると,1997年に「全国路面電車サミット97 in 岡山」開催をきっかけにして,LRTのことに本格的に関わりだしてから,何と16年もの歳月が経つ。

小生にとっては,本職の仕事で,真剣にLRT導入をめざして頑張った時期もあったが,それ以降もわが国ではいろいろな試みが行われてきており,富山市の特殊例を除けば,未だにLRTは実現していないといって良いだろう。

いろいろな都市で,今もLRT計画は進行中ではあるが,世界的にはLRT新設が都市再生にとって当たり前の今,わが国では一つもまともなLRTが実現していないというのは残念だと言わざるを得ない。

それこそ専門家や国の役人が一生懸命になって,15年間もの間LRT普及を説いてきているわけだが,決定的な成果が上がっていない。

その昔,小生もLRT導入に向けた新しい法制度を作るために、「全国路面電車ネットワーク」という組織の一員として,それなりに頑張った時期もあったが,結局は新しい法律が小生の訴えた内容どおりにはならず,国は「交通基本法」という名で,交通政策の理念だけは盛り込んだ法律を創設しようとしているのであるが,小生はそんなものを作ったとしても,今の日本でLRTを導入できる世の中に変わるとは到底思っていない。

LRT導入に向けて大切なのは理念だけではなく,実際に事業を実行すべき者がやらざるを得ないと思えるような制度を作ることである。

小生は,最近になって道路整備に携わっているわけだが,現場の第一線で仕事をしてみて,全国で道路はどんどんできるのに,LRTをはじめとする基幹的な公共共通は全くできていないという事実と理由がはっきりとわかってきた。

この15年間で,道路とLRTの間における,整備されたか整備されなかったかの差は,まさに歴然である。

日本の都市は,どういった方向に進化していこうとしているのか。
そして,日本の人々は,いったいどういった生活をめざそうとしているのだろうか…。

久しぶりに,いい議論ができて,心地よいひとときであった。

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わが国におけるLRTの行く末

先日の「土木計画学研究発表会」(筑波大学)では,今回もまたLRTに関するセッションが行われた。

残念ながら,小生は都合が悪くて出席できなかったのであるが,出席した人の話によれば,以前に比べて参加者が少なく,今の日本のLRT整備の行きづまりを象徴しているような感じだったとの感想をもらった。

学会をはじめとするセミナー等で,今もLRTが取り上げられることはあるが,いったいいつまでLRTについて追いかけていけばいいのか,正直なところよくわかない。
専門家の方々がどういった視点で取り組みや研究を進めていこうとされているのか,小生自身は理解できなくなってきている。

小生の正直な意見としては,もう10年以上も前に自らがLRTを追いかけていた頃の取り組みと現在の取り組みを比べたときに,何がどう進歩したのかよく理解できていない。
少なくとも,以前のようなLRTブームが去ったことだけは間違いないと思う。
特に,市民レベルの盛り上がりという点では,10年前に比べてかなり後退してしまったのではないだろうか。

例えば,成功例として名高い富山市のように「やる気のある自治体の首長を動かすしかないのでは」といわれることが多いが,そんなことは10年も前から言われ続けていることであり,その後何も解決策が示されていないと思う。
そんなことよりも,どうすれば首長をそんな気持ちにさせるのかを提言していくべきなのだろうと思う。

また,富山ライトレールができた頃から言い続けているように,富山市のLRTはきわめて特殊な事例で,富山ライトレールができたから他の都市でもできると思うのは大きな誤りなのだ。
富山ライトレールができたのは,富山市に森さんという市長がいたことはもちろんであるが,連立事業にあわせてJR西日本が富山港線を廃止するという流れがあったからこそなのだ。
もちろん,第一に富山市に公共交通を生かしたまちづくりを進めていこうとする基本的な考え方があったということが大きい。

どうやら,関東地方では「公共交通マイスター」なる制度が始まったようだが,国主導の制度導入により,いったいどんな効果が現れるのだろうか。
小生としては,興味津々である。

わが国の交通政策の行く末が真剣に憂慮される今,何とか突破口になってほしいと願うばかりである。

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富山市内の路面電車新線建設現場を見て

新潟県長岡市へ向かう途中,富山駅で途中下車したので,建設中の富山地方鉄道の路面
電車新線現場を見てきた。

丸の内電停を過ぎて,ちょうど丸の内交差点から東へ分岐するのだが,曲がりきったと
ころからS字カーブになるのだ。道路は直線なのに,単線の路面電車だけがS字カーブ
となるのは,道路の右折車線部分を縫うようにして線路が引かれているからだ。
海外であれば,道路はクルマよりLRT優先の構造なので,こんなことはあり得ないと
思うのだが,クルマに遠慮して,わざわざスピードのでないS字カーブの構造にしなけ
れば新線が造れないとは,ホントに情けない話である。この国は,どこか間違っている
のではないだろうか…。

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路面電車サミットin福井

去る10月17日から3日間,福井市で「路面電車サミット2008 in 福井大会」が開催された。
前回の長崎大会には参加できなかったのだが,今回は何とか17日(金)の1日目だけではあったが,参加することができた。
路面電車サミットをきっかけに全国のLRT仲間となったいろいろな友人・知人との再会を果たすことができ,夜の懇親会では久しぶりに盛り上がり,楽しいひとときを過ごすことができた。最終のサンダーバードで帰阪しなければならず,ちょっと残念だったが…。

そのサミット1日目は,国土交通省のLRT関係の担当部署から3名の来賓があり,それぞれ制度の話などを聞くことができた。
国の担当者の話を聞くと,ずいぶん制度も拡充されたものだと感心する一方で,正直なところ話の内容はというと,10年前と何も変わっていないような気がした。

同じ北陸の富山市を例に挙げて,富山ライトレールがわが国の成功事例であると話をしていたが,全国レベルでは,富山ライトレールに続くのはやはり富山市の市内線接続が直近の事例となりそうだという話を聞くと,日本ではいかにLRT整備のスピードが遅いのかということを痛感する。何となく寒くなってしまう。

堺市や宇都宮市というこれから導入をめざす都市の担当者もお見えだったようだが,まだまだお勉強という感じだったのは,何とも残念だった。

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LRT国際シンポジウム「環境・都市・交通の未来戦略」(その1)

昨日4月14日(土)の午後,京都大学百周年時計台記念館の百周年記念ホールで「環境・都市・交通の未来戦略」というタイトルの国際シンポジウムに行ってきた。要するに,LRTのシンポジウムである。

基調講演やパネルディスカッションはともかく,フライブルク市・副市長のマティアス・シュメラス氏ストラスブール都市圏公共自治体連合・最高責任者のアンドレ・ヴォン・デル・マルク氏がそれぞれ招待講演をされるとのことだったので,最新情報が得られるかと楽しみに聞きに行ってきた。

内容の一部は,土井先生のブログにも詳しく述べられているが,小生にとっても非常に興味深いものであった。何がもっとも興味深かったかというと,有名な先生方が約10年前から既に行われてきている同じ議論をようやくこれから議論し始めようとしていることを改めて確認できたことと,本来はLRT導入を強力に推進すべき国の第一線で指揮を執る官僚がLRTの現状について全然認識されていないことを確認できたことだろうか。残念ながら,日本でいつまで経ってもLRTができない理由の一つがここにある。(;_;)

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