コミュニティ交通のつくりかた
12月に右肩を骨折してから,外で活動する機会がめっきりと減少したこともあり,読書の量が格段に増えた。
通勤時間が長くなったことも一因であるが,週に1~2冊ペースだろうか。
そんな中,3月1日に学芸出版社から「コミュニティ交通のつくりかた-現場が教える成功のしくみ- 」が発刊された。
森栗先生の編著で,他に5人の自治体職員などが執筆しているのであるが,昔からつきあいのある京丹後市役所の野木秀康氏も執筆者の一人である。
1日に届いたので,その日のうちにさっと読破してしまったが,さすがに読みやすい。
京丹後市のほか,山口市や神戸市の公共交通活性化事例を実際に現場で関わった担当者が経緯や内容を紹介し,どのような現場の苦労があったかなど,かゆいところに手が届く内容となっている。
ただ,森栗先生が冒頭で注意しているように,これらの成功事例をそのまま真似してもけしてうまくいくものではない。
むしろ,ここまで苦労しなければ成功に導けないのかと思われると,全国でどれだけの担当者が覚悟して「やってやろう」と決意するかは未知数である。
公共交通も道路も担当したことのある小生の拙い経験からいえば,同じ交通分野で道路整備のように,予算の確保,人員の確保,そしてノウハウの共有などが,当たり前のようにならないと,持続可能なしくみとはならない。
そのためには,10年以上前から言い続けているように,先般廃案となった「交通基本法」のような法律を制定し,まともな交通政策を進める上で基本となる法制度や予算制度を確立しないことには話にならないということを改めて言わなければならない。
やはり何と言っても,あるべき交通政策に対する理解者を増やすことが必要だ。
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